先日、Forbes誌が「全米不幸な街ランキング」を発表した。同ランキングはアメリカ都市部の200地域を対称としており、「住民の不満度」がその評価基準となっている。
主に考慮された項目は:
- 犯罪率
- 失業率
- 住宅差し押さえ率
- 税金(所得、固定資産)
- 住宅価格
- 政治腐敗
- 通勤時間
- 天気
- 地元プロ・スポーツチームの調子
今回はその中から、ワースト10をご紹介。ここで取り上げた地域に住んでいる人は、どうか気を悪くしないで欲しい。
幸福度の低い街トップ10
10位: ウォーレン(Warren)、ミシガン州
ウォーレン市では住宅市場が崩壊し、過去3年で住宅価格が半分以下に落ち込んだ(デトロイトに次ぐ全米第2位の下降率)。
9位: ロックフォード(Rockford)、イリノイ州
ロックフォードの固定資産税率は、2.4%と全米で5番目に高い。13万6000ドル(約1041万円)のマイホームだと、毎年3234ドル(24万8000円)の税金を支払わなければならない。
8位: トレド(Toledo)、オハイオ州
現在トレド市の役所には市場操作がらみの不正疑惑があがっており、米住宅土地開発省とFBIが調査を進めている。所得税や固定資産税も、他の地域に比べ割高だ。
7位: フォート・ローダーデール(Fort Lauderdale)、フロリダ州
「スプリング・ブレイク(春休み)の聖地」と言われるフォート・ローダーデール市だが、住民は不動産市場の下落に苦しんでいる。住宅価格は、2006年から約50%ダウンしており、回復の兆しがまったく見えていない。
6位: シカゴ(Chicago)、イリノイ州
別名「風の街(The Windy City)」、世界有数の大都市であるシカゴは、文化と金融の街。シカゴに住むのなら、交通渋滞と割高の税金、極寒の冬を覚悟しなくてはならない。平均通勤時間は31分で、全米で8番目に長い。
5位: サクラメント(Sacramento)、カリフォルニア州
2011年の住宅差し押さえ件数が、全米トップ10にランクインしたカリフォルニア州の首都サクラメント。唯一のプロ・スポーツチーム「Sacrament Kings(NBA)」が、南カリフォルニアのアナハイム市に移転するのではとの噂が立っている。
4位: ウェストパームビーチ(West Palm Beach)、フロリダ州
フロリダ州南部地域は、長年に渡り汚職に侵されている。つい最近では、Boynton Beach市(ウェストパームビーチ地区の一部)のロドリゲス市長が、家族内の児童虐待事件をもみ消そうとして逮捕された。住宅価格も2006年から50%ほど落ち込んでいる。
3位: フリント(Flint)、ミシガン州
昨年、フリント市は775件の廃墟を取り壊した。2010年8月には、市の財政難から警察官の約4分の1を解雇。そのせいもあり凶悪犯罪件数は、全米でワースト3だ。
2位: デトロイト(Detroit)、ミシガン州
今年デトロイト市は財政破綻を回避するため、いくつかの公立学校の閉鎖と警察官のリストラに踏み切った。住宅価格の下落率は全米ワースト1で、過去3年に54%の値下がりを記録。治安の悪さも、全米でトップクラスだ。
1位: マイアミ(Miami)、フロリダ州
現在、マイアミの不動産事情は極めて厳しい状況にある。マイホーム所有者の47%が、「水没ローン(住宅の価値が返済額を下回る状態)」に文字通りもがき苦しんでいる。過去4年間の住宅差し押さえ件数は、36万4000件に達したようだ。
トップ10のうち、ミシガン州とフロリダ州からそれぞれ3つずつランクインしている。マイアミは世界でも有名な観光地だが、実際に住むとなれば話が違ってくるのかもしれない。
これからアメリカに移り住みたいという人にとって、少しでも参考になれば・・・。
ソース:「Forbes.com – Americas most miserable cities」
Speak Your Mind